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概要

shiniya-yamanasi-201908

万力八幡トンネル御坂みちJR中央本線根津記念館万力公園山梨市駅差出の磯ちどり湖笛吹川街の駅やまなしやまなし歴史散歩「万葉の森」と史跡散策令和元年7月1日発行 富 士 の 国 シ ニ ア 山 梨 だ より 夏号(10)わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。 新元号「令和」の典拠となった「万葉集」にちなんだ山梨市の「万力公園 万葉の森」。園内には万葉集の歌碑が27基あり、「令和」の考案者とされる研究者が歌の選定に関わった経緯もある場所。万葉の森と周辺の史跡を歩くコースを紹介する。 スタートはJR山梨市駅。駅前の道路を左手に進み、笛吹川にかかる根津大橋を渡ると右手に見えるのが「万力公園 万葉の森」。橋を渡り終えて右に曲がる。「鉄道王」の根津嘉一郎の銅像を左手に見ながら進むと、新元号「令和」の典拠となった万葉集の歌に関係する歌碑があることをPRする看板が目に入る。新元号とのつながりを紹介する文章が記されている。 「万葉の森」には、万葉集に詠まれている桜や松など約150の万葉植物のうち、約100種類が並び、新しい元号の由来となった梅の木もある。また、「令和」の考案者とされる国際日本文化研究センター名誉教授の中西進氏が歌の選定に関わった万葉集の歌碑27基が設置されている。 噴水の広場の左手には、松について詠まれた「一つ松 幾度か経ぬる 吹く風の 声の清きは 年深みかも」(万葉集巻6、市原王)の歌碑がある。この歌碑は中西氏が筆を刻んだという。歌碑の前には歌の意味を紹介するプレートも設置されている。 毎年6月には、「万葉うたまつりとホタル観賞会」が園内で開催されていて、平安貴族の衣装を身にまとった参加者による万葉歌の朗唱がステージで行われる。山梨市の老人クラブ会員有志が何度も参加している。 案内板の表示に沿って歩いたり、27基の歌碑を巡ったりするのも楽しい。子どもたちには小動物が中心の動物広場(入場無料)が人気で、孫と一緒に行っても十分に楽しめる。また公園内には売店もあって飲食ができるほか、芝生でお弁当を広げてピクニック気分も味わえる。 公園を出て「根津記念館」を目指す。笛吹川沿いの道をたどる。道沿いにある根津記念館を示す案内板に従って進む。根津記念館は初代根津嘉一郎の実家「根津家」の邸宅を保存・公開する施設。根津家の後継者とその家族から寄贈を受けた山梨市が、約5年の歳月をかけ整備事業を進め、平成20年10月に開館した。国の登録有形文化財である長屋門、旧主屋、土蔵など昭和初期の建造物などがある。根津嘉一郎の生涯を紹介したパネル展示などで偉業に思いをはせる。 根津記念館を出て北へ向かう。右手に先ほど訪れた万葉の森を見ながら進むと見えてくるのが「ちどり(千鳥)湖」。万力公園の北端にある人工湖だ。元々は農業用水の貯水池として作られたが、現在では市民の憩いの場となっている。周辺には柳や桜の並木があり、お花見や散策にぴったり。古今和歌集に「しほの山さしでの磯に すむ千鳥君が御代をば 八千代とぞ鳴く」と詠まれた差出の磯が近くにある。 ちどり湖の手前を右に曲がる。山梨市民会館を左手に見ながら笛吹川にかかる万力大橋を渡って再び山梨市駅に戻る。山梨市駅の手前にある「街の駅やまなし(山梨市地域交流センター)」で一休み。交流スペースや食堂のほか、足湯もある。疲れた足を温泉で癒やす。新元号につながる万力公園の歌碑根津嘉一郎の    功績をしのぶちどり湖と     差出の磯「令和」のPR看板中西進氏が筆を刻んだ歌碑根津記念館ちどり湖