ブックタイトルshiniya-yamanasi-202108

概要

shiniya-yamanasi-202108

（9） 夏号 富 士 の 国 シニア 山 梨 だより 令和3年8月1日発行わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。秋耕の一人に啼いて牛通る初富士や結露の窓に透かし見ゆ野焼の火消えて夕日と川の音香り良き水葱添へて忍野蕎麦母の歩に合わす春野の昼さがり花衣嫁ぐ吾が子の目に涙春寒し妻亡き家の勝手口三世代揃い稲刈る日曜日父を語る春寒の燭尽るまで田仕舞の棚田色なき風の中北杜市　松林 新一　90歳富士河口湖町　流石 絹代　85歳北杜市　山本 豊彦　83歳富士吉田市　渡辺 久美子　72歳甲府市　渡辺 優　84歳甲府市　星 はるみ　61歳北杜市　細川 富士夫　84歳大月市　小俣 秀子　85歳富士吉田市　渡辺 悠美子　78歳北杜市　福田 すみ江　75歳【特選】【秀作】現世のしがらみを背に初鏡大根まく頼りは亡父の農日誌月煌々大沢崩れの影深し夕闇の胡弓ひとしほ風の盆燕とぶ富士の棚田を知りつくし都留市　直井 信朝　79歳都留市　小笠原 勇　89歳富士吉田市　勝俣 茂　61歳甲府市　大森 和男　76歳富士吉田市　宮下 栄江　80歳道祖神山鳩鳴いて銀杏散る沈丁花ほのかに香り人を待つ藻の花の咲く小流れに手を浸す雨戸開く音さえ軽き春隣老い二人手を取り合って初詣ですこやかに米寿の朝の雪明り亡き人を忍のびつ春の墓まいり足り居ても独りは侘し秋桜生かされて米寿賜り新酒酌む春めくやこもり居を解く試歩の杖身延町　井上 麻子　91歳山梨市　日原 宗子　98歳西桂町　梶原 とき子　80歳北杜市　山本 芳子　80歳富士河口湖町　三浦 信子　81歳韮崎市　山村 満代　88歳甲府市　一瀬 輝子　81歳大月市　小俣 秀子　85歳富士吉田市　田辺 茂夫　89歳山梨市　齊藤 富嬉子　89歳【特選】【秀作】富士仰ぎ老いの一打や鍬始胸中に棲む人増えし彼岸花野に立ちて諸行無常の畦を焼く日本晴れ五輪旗踊る空髙く白檀の香りただよう入り彼岸都留市　小笠原 勇　89歳市川三郷町　長田 睦　80歳都留市　磯村 璋一　87歳 甲州市　古家 福治　92歳韮崎市　向山 美智子　83歳鎮魂の祈り三月十一日日脚伸ぶ鍬一丁を買ひ足しぬ大鳥居塗りたてなるぞ寒鴉冬晴や大書の如く鳶の舞う農道に軽トラ数台春近し水底の小石明るく四温風菜の花やこの道雲にとどく道ほやほやの赤子の欠伸夕桜踏み入れば春野遠のけば枯野かな山笑ふ甲斐国開府五百年南アルプス市　阪本 みつい　81歳北杜市　勝川 信子　82歳富士吉田市　宮下 輝男　73歳北杜市　萬年 三三　80歳北杜市　角田 武敏　82歳甲斐市　長谷川 栄子　81歳甲府市　相澤 澄江　75歳北杜市　八代 菜美子　73歳笛吹市　渡辺 伊都子　86歳甲府市　太田 道夫　83歳【特選】【秀作】白牡丹のゆるみてきたる日暮れかな早旦や暖炉に残る去年の燠衣被つるりとこの世ぬけてみる曳れゆく牛振り向くや冬の虹丁寧な女僧の暮し菊膾中央市　土屋 由子　81歳富士河口湖町　坪井 美智子　81歳富士吉田市　渡辺 武人　77歳甲斐市　佐野 彌生　81歳富士吉田市　鈴木 文代　68歳山田 省吾 選上田 正久日 選加藤 勝 選シルバー俳句大会に912句の応募　「シルバー俳句大会」には、県内の６０歳以上の方々から９１２句の作品の応募があり、３人の選者（山田省吾さん、上田正久日さん、加藤勝さん）による審査の結果、特選15句、秀作30句、佳作45句が決まりました。敬称略、年齢は令和3年6月11日現在の満年齢山梨県シルバー俳句大会 特選・秀作