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概要

shiniya-yamanasi-201802

一葉の文学碑塩山駅国道411号線滝本院雨敬橋JR中央本線甲州市役所甘草屋敷慈雲寺フルーツライン新千野橋やまなし歴史散歩樋口一葉  ゆかりの地をたどる平成30年2月1日発行 富 士 の 国 シ ニ ア 山 梨 だ より 新春号(10)わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。 「たけくらべ」や「ゆく雲」で知られる明治の女流作家樋口一葉の両親が生まれ育った甲州市塩山エリアをたどった。春は慈雲寺のイトザクラや桃源郷の景色も楽しむことができる。 JR塩山駅北口を出発し、駅のすぐ近くにある重要文化財の高野家住宅・甲州民家の代表作で、江戸幕府の命を受け漢方薬の原料「甘草」を栽培したことが名前の由来。毎年2月~4月にかけて開催されるひな飾りと桃の花まつりのメイン会場で、つるし飾りや雛段が華やかに飾られる。重要文化財に指定されている。 甘草屋敷から、国道411号線をたどり、イトザクラで知られる慈雲寺に向かう。暦応年間(1338~1341年)に、夢窓国師によって開かれたと伝えられている禅寺。この寺の私塾に通う一葉の父の樋口則義(のりよし)と母の多喜(たき)が出会い、安政4(1857)年に2人で江戸に出た15年後、一葉が誕生した。 境内のイトザクラ(シダレザクラ)は、その樹形の美しさで県内屈指とされる名木。県の天然記念物に指定されている。 境内には、一葉の文学碑がある。この地に一度も訪れたことがない一葉だが、作品には、しばしば塩山の地名や風情が描かれ、代表作品のひとつ「ゆく雲」では、主人公の故郷として父母の出身地である中萩原の地が登場する。 境内にある一葉の文学碑を見学した後は、日向薬師、滝本院へ向かう。武田信玄公の祖父武田信春公が、千野地区に館をかまえていた頃、館の辰巳(東南)にあたるこの院に祀られていた不動明王を厚く敬い、祈願所とした。鐘つき堂からは甲府盆地と甲州市内を見渡せる絶景ポイント。境内東側に群生する彼岸花は、9月の中旬?下旬に見ごろを迎える。 ここから下っていき、実業家雨宮敬次郎の碑を左に見て、重川に架かる雨敬橋を渡って塩山駅に向かう。甲州市出身の実業家雨宮敬次郎が還暦を記念して私財を投じて塩山駅東側に新道を開発し、重川に橋を架けた。郷里の人々は「雨敬橋」と名付けた。その後、永久橋に架け替えられたが、現在も「雨敬橋」の名称が受け継がれている。 今回の距離は約8・7キロメートル。所要時間の目安は2時間30分だが、アップダウンも多く、山道もあるので、余裕を持って自分のペースに合わせ歩くといいだろう。コースの途中には案内板もある。一葉の文学碑の慈雲寺  甲州民家の     甘草屋敷 今も受け継がれる      「雨敬橋」武田信春公の祈願所一葉の文学碑甘草屋敷雨敬橋滝本院