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Iki Iki So-kai Interview Vol.8わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。平成27年2月1日発行富士の国 シニア山梨だより新春号(10)―「ソロモンの偽証」は、宮部みゆきさんの原作を成島さんの監督....

Iki Iki So-kai Interview Vol.8わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。平成27年2月1日発行富士の国 シニア山梨だより新春号(10)―「ソロモンの偽証」は、宮部みゆきさんの原作を成島さんの監督で映画化するということで注目されていますが。 2部作で、前編が3月7日、後編が4月11日の公開予定です。いじめとか子どもの自殺という重い題材ですが、孤立していた子どもたちがつながっていき、最後には「ぼくたちは友達になりました」となります。「山本五十六」も「孤高のメス」も、人と人がつながって人を救います。題材は違えど「やっぱり人間が一番いいな」と思っていただけるような映画を撮りたい。― 映画監督を目指そうと思ったきっかけは。 高校まで映画には興味がありませんでした。しかし、東京で浪人している当時、名画座で3本立て300円くらいで映画が観れました。年間800本くらい観たでしょうか。狂ったように観ているうちに、スクリーンの向こう側から「お前、ここなら生きていけるよ」と呼ばれた気がしたんですよ。自主制作映画を撮って「ぴあ」で入賞した時、審査員だった(映画監督の)大島渚さんと長谷川和彦さんから「お前、何になりたいんだ」と聞かれて「映画監督になりたい」と答えたら「お前ならなれるよ」と言われました。今、考えると何の根拠もないのですが、憧れの2人に「なれるよ」と言われたら、その気になっちゃいますよね。長谷川さんのところで書生みたいなことをした後、助監督になり、「油断大敵」で初監督をしました。― 監督にとって山梨とは。 実は山梨は嫌いだったんです。人間関係が濃くて、それが嫌で早く東京へ出たいと思っていました。でも、この年になって映画を撮るようになってから、故郷の見方が変わってきました。山梨に「しわい」っていう言葉がありますが、新藤兼人さん(映画監督)が、菊島隆三さん(甲府市出身の脚本家)のことを「しわい仕事をする」と言うんですね。これは「隙のない仕事する」というホメ言葉なんです。「しわい」は悪口と思っていましたが、「しわい仕事」はいいことなんだ、と思いました。「しわい仕事をする監督になりたい」「人と人との絆をキチンと撮りたい」。そう思う、その根っこには人間関係が濃い山梨の気質があると思うようになりました。― お年寄りの皆さんへのメッセージを。 「人間の幸せってなんだろう」って考えたときに、残された時間が長いほど幸せというものではないと思うのです。一瞬一瞬、輝いていること、輝き続けられること、それが大事なことではないでしょうか。つらいこともいっぱいあるけれど、ぼくの映画を観て元気になってくれればいいな、と思っています。 「八日目の蝉」で日本アカデミー賞監督賞を受賞するなど日本を代表する映画監督の一人、成島出さん(甲府市出身)に、最新作「ソロモンの偽証」、故郷・山梨への思いなどを伺いました。 甲府市出身。53歳。甲府東高から駒澤大学。1986年、「みどりの女」で、ぴあフィルムフェスティバル入選。「クライマーズ・ハイ」などの脚本を手掛ける。94年、「油断大敵」で初監督。2012年、「八日目の蝉」で第35回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。同作は最優秀作品賞など計10部門を受賞した。他に「孤高のメス」「聯合艦隊司令長官 山本五十六」や吉永さゆり主演の「ふしぎな岬の物語」などを監督。なる  しま   いずる映画監督成島 出 氏人の絆を撮る 根っこに山梨気質いいき爽快インタビューき