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扇山上野原市大月市百蔵山岩殿山甲斐市中央市市川三郷町JR中央本線倉岳山高川山九鬼山中央自動車道富士急行線河口湖I.C諏訪番所鶴川宿野田尻宿犬目宿鳥沢宿猿橋宿花咲宿初狩宿笹子峠やまなし歴史散歩このコーナーで....

扇山上野原市大月市百蔵山岩殿山甲斐市中央市市川三郷町JR中央本線倉岳山高川山九鬼山中央自動車道富士急行線河口湖I.C諏訪番所鶴川宿野田尻宿犬目宿鳥沢宿猿橋宿花咲宿初狩宿笹子峠やまなし歴史散歩このコーナーでは、山梨の歴史について取り上げていくが、今年度は3回シリーズで、甲州街道について取り上げたいと思う。初回は上野原から大月までを辿ってみたい。わたしたちは、山梨県老人クラブ連合会を応援しています。富士の国シニア山梨だより夏号(10)平成24年7月1日発行甲州街道は、里程53里2町余り(約210キロ)の、江戸幕府によって整備された五街道の一つ、現在も県内の交通の要衝となっている。この街道は、江戸(日本橋)から内藤新宿、八王子、甲府を経て信濃国下諏訪宿で中山道と合流するまで、38の宿場が置かれ、中馬による陸上運送が行われた。甲州街道は2代将軍秀忠のとき建設、甲州道中とも呼ばれた。現在は国道20号がこの街道を継承している。甲州に入る最初の宿場が上野原。街道はこの場所では県道520号となっている。江戸と甲府を結ぶ主要道路の中間点にある当地は、国境の重要拠点でら分かれ再び県道となる。ここから0・5キロのところに鶴川宿があり、この鶴川宿から6キロ程のところに明治天皇も休憩したという野田尻宿がある。ここから4キロ程で「富岳36景甲州犬目峠」で有名になった犬目宿へと続く。犬目宿は高地であるので、富士山が綺麗に見えることで知られている。この宿場も本陣1、脇本陣1、旅籠15軒という山間の小さな宿場で、最近まで往時の面影が残る街道であったが、昭和45年の大火で、当時の建物はほとんど消失してしまったと聞く。しかし、町並みのはずれには、犬目恋塚(一里塚)も昔の面影を残しており、訪ねてみる価値ありである。番所が置かれた。この番所は、諏諏神社付近にあったため、諏訪番所と呼ばれ、甲斐24関の最初の関である。今も船守寺と諏訪神社参道の中間の所に諏訪番所跡の石碑が残る。ここから2キロ程で国道と合流し、その先は今は商店街となった上野原宿が広がる。ここの名物は、何と言っても酒饅頭。酒麹を使ったまろやかな味の白い饅頭で、どこかなつかしい味が絶品。街道は上野原警察署の先で右折し、国道か山間部を抜け鳥沢まで下りてきた街道は、四方津、梁川経由の国道20号と再び合流するが、ここから猿橋辺りまでは国道20号とほぼ同じルートを辿り、鳥沢宿に至る。「明治天皇註蹕地碑」と刻まれた石碑が建てられているところが「上鳥沢本陣跡」と言われている。ここは猿橋宿と犬目宿に挟まれ、申と犬の間なので鳥沢と名付けたと言われる。この鳥沢宿から3キロ位行ったところに猿橋で有名な猿橋宿がある。桂川に架かる猿橋は日本三大奇橋の一つである。はね橋という珍しい形式の橋で(同形式の橋で唯一現存する橋である)、周囲の渓谷美から甲州街道随一の名勝と言われ、「60余州名所図甲斐猿橋」で有名な歌川広重や富岡鉄斎、荻生狙徠ほか多くの文人が訪れ、数々の作品を生み出している。かの広重もこの橋近くの茶屋に立ち寄ったと言う。国道からも県道からもはずれており、付近の店で休んで静かに新緑の渓谷美と橋のたたずまいを楽しむのも良いものである。猿橋を過ぎて旧道からは対岸に岩殿山を一望できる。この山の上にあった岩殿山城は武田氏の家臣で、武田氏の滅亡にかかわった小山田氏の居城。急峻な山上に築城されており、戦国時代に東国屈指の堅固を誇ったと言う。山の脇の桂川を渡ってしばらく行くと花咲宿。ここは本陣1、脇本陣2、旅籠22軒の宿場であった。この宿の右側に国指定重要文化財の星野家住宅があり、その前には「明治天皇花咲御小休所」と「本陣」の石碑が並んでいる。星野家は、本陣、庄屋、問屋を勤めた旧家で、現在の建物は、1836年に焼失したものを再建したものだが、往時の面影を忠実に表している。ここから初狩宿を経てしばらく行くと、甲州街道最大の難所笹子峠に出る。この難所を越える旅人の力餅が中央線などで売られている「笹子餅」。買い求めて昔の旅人の気分を味わうのも楽しい。笹子峠は標高1096メートルあり、江戸と下諏訪のほぼ中間にある。笹子峠には「矢立の杉」と言われる杉の木があり、ここを通って合戦に赴く武士が必勝を祈願して、この杉の木に矢を射ったことが由来と言われる。葛飾北斎、歌川広重(二代目)の絵にも描かれている。また笹子餅のパッケージにもこの杉が描かれている。峠を越えると甲州市(旧大和村)であり、いわゆる郡内から国中に入る。鳥沢宿犬目恋塚諏訪番所跡猿橋星野家住宅矢立の杉